不動産業界のデータ活用

近年、DXの潮流からデータ活用が1つのキーワードとなっている中で、不動産業界においても売上の向上や部署間・グループ会社の連携強化を目的とした顧客データの活用の検討・実施をする企業が増えています。

この記事では不動産業界の課題、データ活用による解決策、また顧客データ活用するための基盤CDP(カスタマーデータプラットフォーム)を導入するメリットをご紹介します。

不動産業界は大まかに「企画・開発」「販売」「賃貸・仲介」「管理」の4つの事業に分けられますが、本記事では不動産の流通に関わる「販売」「賃貸・仲介」の事業の顧客データ活用のメリットを中心として、「企画・開発」するディベロッパーの事業における顧客データ活用のメリットについてもご紹介します。

不動産業界における課題

不動産販売(建売、注文、分譲)においては、営業の個人活動やセミナー、自社サイトの問い合わせや資料請求、展示場の来場予約、モデルルームや建売住宅の内覧会の予約によって新規顧客との接点を作り、商談を進めていくような流れが多いかと思います。
また、賃貸においては物件情報サイトを中心として一部自社サイトや直接来店によって新規顧客との接点を作り、物件の紹介や内覧を進めていくような流れが多いかと思います。
商談の際に顧客情報を紙で記入してもらったり、展示場の来場管理を紙で管理していたり、アンケートを紙で管理されていたりとデータ化されていないケースや、紙の情報が他のデータと紐付いていないケースも多く存在しているかと思います。
いずれの場合も新規顧客の接点は多岐に渡り、不動産販売においては成約までの接点も多い一方で、商談から成約までのデータとして分断されてしまっており、パイプラインを一連の流れとして捉えて評価できていない状態となってしまっているケースが少なくありません。

結果として、投資対効果の優れるチャネルの見極めがデータに基づかない感覚的なものとなってしまっている、良い商談プロセスの評価や悪い商談プロセスの評価ができていないといった課題が存在します。

大手の不動産会社では、「企画・開発」「販売」「賃貸・仲介」「管理」におけるいくつかの事業を展開しているケースも挙げられますが、事業部ごと事業会社ごとにデータが分断されてしまっていることによる課題も発生します。
例えば、戸建てを購入するのか、マンションを購入するのかという判断を迷っている顧客に対して同時にアプローチしてしまうケースや、投資用マンション等において、すでに情報量の豊富なリストとして存在している販売や賃貸・仲介における既存顧客のデータを活用できていないケースです。

不動産業界ではこのように、接点ごとにバラバラになってしまっているデータ、デジタル化されていないデータ、事業部・事業会社ごとに管理され活用しきれないデータによる、適切な評価・コミュニケーション・資産活用の観点の課題が存在します。

不動産業界におけるデータ活用

データ活用を促進するためには、さまざまな接点に点在する情報をもとに、一人ひとりの顧客のデータを作る必要があります。
データを統合するには、単に何らかのシステムを導入するだけでは解決せず、各データを統合できるようにするためのkeyとなる情報を持っておく必要があり、場合によっては情報の取得方法を見直す必要があります。

各データを統合するためのkeyとなる情報は、例えばメールアドレス、携帯電話の番号等が挙げられます。keyとなる情報は各接点で取得できるように整備する必要があります。特に、紙で記入してもらうような形式をとっている顧客情報やアンケートなどは、追ってデータ入力という業務が発生することを考えると、業務オペレーション次第ではありますがあらかじめ顧客のスマートフォンや、店舗で用意したタブレットやPCの利用ができるとより良いでしょう。

keyとなる情報を取得できる整備を進めると同時にデータを統合するシステムを検討しましょう。データの統合については、さまざまな方法がありData LakeやETL、DWHを用いて自社で構築する方法もありますが、導入スピードや開発コストなどを考えるとデータ統合を目的としたプラットフォームを導入する方法も1つの手です。

その中でもCDP(Customer Data Platform)も解決策の1つとなります。
CDPはデータ統合・活用のための必要な機能を備えており、データと顧客を結びつけ、さらにCDPですべての情報を一元管理することで、個々の情報だけではわからなかった顧客像を把握できます。

各システムに関して詳しくは次の記事も参考にしてください。
データ統合に必要な仕組み Data Lake / ETL / DWH とCDPの構成
CDPとは何か?

不動産業界がCDPを導入するメリット

CDPを導入し、機能を活用することで得られるメリットは下記の通りです。

不動産販売における購買ファネル分析による顧客と営業とのコミュニケーション改善

オンライン・オフラインでバラバラになったデータ、webトラッキングデータ、資料請求・来場予約情報、来場後のアンケート、商談のデータ(CRM)、契約、契約後の利用データまでもがCDPに収集可能なので、購買ファネルをより精緻な分析にすることができます。

データを一か所に収集して分析するだけでなく、離脱のボトルネックを明らかにすることで精度の高い改善施策の立案を行うこともでき、広告の投資対効果の改善、問い合わせ等のCVRの改善、商談化率の改善、成約率の改善に繋がります。

【例】

  • webサイトの行動や問い合わせ・アンケートの内容によってどのような人が商談化する確率が高いのか、購入する確率が高いのかを分析
  • 商談化のためのアプローチで、webサイトも含めた過去の行動をもとに提案することで商談化率を改善
  • 成約率が高い商談・低い商談の営業活動を見直し、成約率を改善
  • 顧客の状態に合わせたメール配信

    CDPを利用することで顧客のwebサイトのアクセス・各種接点の情報・商談の情報を利用したセグメンテーションを作成し、顧客の状態に合わせた適切なメール配信が可能になります。

    不動産販売であれば顧客の検討フェーズに段階があるため、フェーズごとに適切なコンテンツを提供することで、次のフェーズに進めるために役立ちます。

    賃貸であれば、成約後にも物件の案内等の情報が届くと顧客にとっては完全なノイズ情報となってしまうため、そのような連絡が届かないように制御すること自体が長期的な関係構築に繋がります。

    契約後の顧客に対してのコミュニケーション

    契約後の顧客に対しても、継続的にコミュニケーションを取れる関係性を維持することにより、転職・転勤などによる引っ越し、家族内の構成人数が変わった際の引っ越し等の際に過去の情報も含めた適切な案内が可能になります。

    エリアや商品により担当する部署が異なる場合でも事業部間やグループ会社間でデータ連携ができていれば、引き続き過去の購入時の一連の情報をもとにした最適な提案に繋がります。投資用不動産や保険等、他の商材のクロスセルにおいてもこの顧客との関係性を活用できる可能性があります。

    また、これらの収集したデータは「企画・開発」の事業においても利用できるケースがあると考えれられます。
    不動産開発を行うディベロッパーにおいては、まちづくりの一貫でイベントを計画することがありますが、そのまちに住む顧客のデータを分析し、どういったイベントを企画するかの検討材料としても役立ちます。

    まとめ

    今回は不動産業界の顧客データ活用についてご紹介しました。

    各種接点におけるデータを統合することで、広告の費用対効果の改善、商談化や成約率の改善における課題を的確に捉えてアプローチできるようになり、デジタルを活用したコミュニケーションによる営業活動のサポートや、顧客との継続的な接点の構築の実現に繋がります。

    EVERRISEでは、CDP”INTEGRAL-CORE”の提供のみでなく、その前段階のデータ活用基盤構築のためのコンサルティング、自社の基幹システムを含めた各種システムと連携を行うための開発も行っています。

    データ統合および活用についてご検討されている方はぜひお気軽にご相談ください!

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