ユーザー分析の重要性と手法

売り上げ向上やLTVの向上には、ユーザーデータを活用し、ユーザーを分析し、理解を深めることが重要です。そのために、昨今ではGoogle Analyticsのアクセス解析ツールやMA(マーケティングツール)、CRMツールなど顧客の行動を収集・分析するためのツールがたくさん存在します。しかし、実際にはツールを導入するだけで分析し理解を深めることができていない企業が多いかと思います。
本記事では、ユーザ分析の重要性と手法についてご紹介します。

ユーザー分析の目的と重要性

ユーザーの分析とは、ユーザーの理解を深めることです。しかし一言にユーザーの理解を深めると言っても目的によって手法はさまざまに存在します。ユーザー分析は、まず分析の結果何を知りたいのかの目的を明確にするところから始めましょう。
ここからは、目的のヒントとしてユーザー分析から何がわかるのかを説明していきます。

施策の効果測定

現在行っている施策が本当にユーザーにとって意味のあるものなのか、売り上げに繋がっているものなのかなど、施策の効果もユーザー分析で知ることができます。
メルマガやプッシュ通知機能、DMや広告など昨今、ユーザーとコミュニケーションを取るためのチャネルはたくさん存在します。しかし、ユーザーによって、適切なチャネルや内容は異なってきます。今、使用しているチャネルがユーザーが見やすいチャネルなのか?頻度や内容は適切なのか?などを図ることができます。オンラインストアの数字ばかり見ていたが、実はオフラインの施策が後押しをしているという今まで見えていなかった結果が得られるかもしれません。
また、効果が可視化されていると、その後の意思決定もスピーディーになり、より良い施策へつながり、PDCAの循環が早くなることでしょう。

ターゲットユーザーのニーズの理解

ユーザー分析により、ターゲットユーザーのニーズを把握することも可能です。
ライフスタイルや好みなどが多様化・複雑化により、近年ではユーザーのニーズをマスでカテゴライズすることは難しくなっています。ユーザー分析を行い、ユーザーの一人ひとりの理解を深めることで、企業でターケティングとしているユーザーのニーズを理解することができ、サービスや商品の改善やマーケティング施策の改善につながります。また、実はニーズが一致するユーザーの層が、社内で考えていたものと異なっていたという発見もあるかもしれません。

新サービスや商品開発へのヒント

ユーザー分析は、効果測定やターゲットのニーズの確認など既にあるものを可視化することでより深く理解するだけはなく、その先にある新しいニーズへの気づきのヒントを与えてくれることもあります。
例えば製造小売業などの場合、実店舗とECサイトなどチャネルに問わずユーザーが関わる全てのデータを分析することで、ユーザーの一連の体験に関する行動が可視化されます。ECサイトのみで見ると成果が出ていなかった場合も、実際にはECサイトにて商品を見定めた後に店舗に来店し、直接体験することで満足感を得て店舗で購入するという行動をしている人がいることが分かるかもしれません。分析できるようにするには来店を検知できるデータを取得する必要がありますが、店舗で体験をした後にECで購入するというショールーミングといった行動が見られる可能性もあります。その場合、実店舗では「体験」を提供できる施設に作り替えることやオンラインでも同様の体験を提供できるサービスはないかなどの展望を広げることができるでしょう。
現状を把握するためではなく、未来につながるヒントを得るためにもユーザー分析は必要となっていきます。

ユーザー分析における4つの手法

行動トレンド分析

行動トレンド分析

行動トレンド分析は、過去の購買傾向からシーズンごとの購買率を導き出す手法です。分析の結果を商品展開の判断材料とすることで、季節におけるユーザーのニーズの変化にあわせて適切な事業展開ができます。上記の画像では、冬場である12月〜2月にかけて売り上げが落ち込み、夏場である7月〜9月にかけて売り上げが伸びていることがわかります。売れるものと同時に売れないものも予測できるため、無駄な経費の削減にもつながります。

セグメンテーション分析(クラスタ分析)

セグメンテーション分析

セグメンテーション分析(クラスタ分析)とは、既存ユーザーの共通項を洗い出し、自社のダーゲットユーザー像の指標を作成するための分析手法です。類似性の高いユーザーを居住地・年齢・趣向・行動パターンなどの属性でグルーピングしていくことで、各グループに有効なマーケティング施策を出し分けることができます。
上記の例は、売上と利用回数を軸とした分布図をセグメントした図になります。
Bの利用回数が高く売上金額も高い層は、顧客ロイヤルティが高く、企業として増やしていきたいユーザーの層なるでしょう。ここの数を減らさぬよう継続的なコミュニケーションを図っていきましょう。
では、他の群に属する方々をBへ近づけるためには、どんなマーケティング施策が必要かを考えていきます。
Aは、利用頻度は低いが売上は高いため、1回の利用金額が高いと読み取ることができます。そのため、関連のおすすめ商品情報を発信するなどの「利用頻度を上げる」ための施策を講じる必要があります。対してDは、売上金額は低いですが、利用頻度が高いです。このような層には、「1回の利用金額を上げる」ための施策を講じることが必要になります。セットでの販売や何品以上購入で割引になるなどの情報を発信することで、顧客ロイヤルティの高いB群に近づけることができるでしょう。
Cは、売上も低く利用回数も低いです。この場合はまず「継続的に自社の商品やサービスを利用してもらう」ための施策を打ちましょう。ECサイトなどではよく、2回目利用の方には何%オフなどのクーポンを発行する施策が見られます。
このようにセグメンテーション分析(クラスタ分析)を行うことで、会社にとってロイヤルティが高い層の見極めと同時に、それぞれに適したマーケティング施策を打つことができるようになります。

RFM分析

RMF分析

RFM分析は、3つの指標からユーザーをグルーピングする分析手法です。
・Recency (直近購入日)
・Frequency(購入頻度)
・Monetary (購入金額)
上記をもとに売上貢献度が高いグループを洗い出し、そのグループに対して有効と思われるマーケティング施策を講じることにより、購買率や顧客満足度を高める施策へとつなげます。

デシル分析

デシル分析

デシル分析は、売上貢献度の高い順番にユーザーを10のグループに分類し、各グループの特徴を洗い出す分析手法です。
例えば、100名のユーザーを購買金額の高い順に並べて10等分し、購買金額の比率を各グループに算出します。そして、全体の購買金額の比率から、各グループの購買金額が何%締めているのかを算出します。このデータから、各グループの売上比率がわかり、効率的に売上を伸ばすには、どのグループを重要視してアプローチをするのが良いかがわかります。

ユーザー分析を行うにあたり

ユーザ分析の重要性と手法を述べてきました。では、実際にユーザー分析を行うにあたり何を注意すべきなのかを説明していきます。

分析の目的を明確にする

「ユーザー分析の目的と重要性」で紹介した通り、ユーザー分析を行う目的は大きく分けても3つあります。分析を行うこと自体が目的にならないよう、何を達成したいから分析をし、可視化を行うのかを明確にしましょう。
「なんとなく」でマーケティング施策を行っている企業であれば、まず、「ペルソナを作る」ということを目的とし、既に購入や利用の実績のあるユーザーの分析(ターゲットユーザーの特定)から行うのが良いかもしれません。アプローチすべきユーザー像を明確にし、ペルソナを作り、マーケティング施策を行う。その後、施策の効果測定を行い、良し悪しを判断することで次に生かすことができるようになり、施策の精度が上がり、購入数の増加につながることでしょう。

必要なデータを把握する

目的に対して分析を行うには、どんなデータが必要なのかを洗い出し、自社のデータと見比べる必要があります。
自社の「どこ」の「どのシステムやツール」が「どのような状態」で保有しているのかが分からなければ、分析まで行うことはできません。もし、必要なデータを取得できていない場合は、ユーザーから集めることが優先されるケースもあるでしょう。その場合は、分析よりもまず集めるために何をすべきかを考える必要性が出てきます。場合によっては、本当にそのデータが必要なのかという議論も出てくるかもしれません。
ユーザーに関するデータは、部署ごとや店舗ごと、チャネルごとに分断されている企業が多いです。これをデータのサイロ化と言います。
詳しくはこちらのブログをご覧ください。
攻めのDX推進を阻害する”データのサイロ化”の問題と解決方法

また、分析を行う前に必要なデータを把握した後、一箇所に集めておく必要があります。

データを統合する

ユーザー関するデータは、複数の場所でさまざまな形式で保有されている場合が多いです。それらのデータを集約し、同じ物は同じ物として整理するつまり統合することが必要になってきます。それぞれのシステムに格納されているデータは、項目の持ち方も違えば、保持しているデータの粒度も異なります。そのため、分析を行う前に、必要なデータの項目や粒度などを揃えておく必要があります。
分析というとBIツールを思い浮かべる方が多いかと思われますが、BIツールで分析を行う前にもこのデータの統合で、データを綺麗にしてからでないと、思うような分析結果を得られません。
分析の前にデータの整理などの事前準備という工程が必要であるということを認識しておきましょう。

適切なツールの選定

分析を行えるツールやシステムはさまざま存在します。
例えば、有名な Google AnalyticsはユーザーのWeb上の行動を分析することができます。また、Web広告の投資収益率の分析にも測定にも適しています。ユーザーIDをセットすることで、一人ひとりの行動分析を行うことも可能です。しかし、セットしたタイミングからの情報しか取得することができず、過去を遡っての計測は難しいです。個人を特定した Web上の行動分析には、MAツールが有効的です。Web上のユーザーの行動分析であれば、MAを利用するのが手段の一つかもしれません。しかし、実店舗を持つビジネススタイルでは、MAのみでユーザー分析を行うとWebの行動に限定されてしまい、一連のユーザーの行動を理解することは難しくなってしまいます。
ビジネスモデルや分析の目的に合わせ、ツールやシステムを見極めを行いましょう。

CDPを利用したユーザー分析のメリット

CDPは「分析」の先まで見据えたプラットフォーム

CDP(カスタマーデータプラットフォーム)は、ユーザーのデータを収集・統合・連携のためのデータ基盤です。詳細については下記のブログをご覧ください。
CDP(カスタマーデータプラットフォーム)とは何か?
ユーザーの分析を行うには、データをただ保有しているだけでは実現できません。目的を定め、データの収集・統合などの準備を行う必要があります。この収集と統合を担うのがCDPです。分析のために必要なデータの加工や抽出ができます。

ユーザー分析の精度を上げる

CDPはMAやCRMツールとの連携も可能です。
各チャネルで取得したユーザーのデータをCDPの一箇所に集約することができます。
また、実店舗や営業所などで取得できる購入履歴や営業の履歴からECサイトやWebサイトの行動履歴や会員情報などを紐付け、統合することで、ユーザーの行動全体からユーザー分析が可能になります。
小売りの事業の場合、ECサイトのデーターだけの分析では、ユーザー理解やターゲットユーザーの特定などを行うには不十分な場合が多いです。実店舗で商品を見てからECサイトで購入したり、逆のケースも考えられます。オンライン・オフライン問わず、ユーザーが関わる全てのチャネルのデータを収集・統合し、分析の精度を上げるためにも、CDPの利用は有効的です。

BIツールの連携で効率的なユーザー分析が可能

CDP自体は、ユーザーデータを収集・統合・連携するためのデータ基盤のため、分析はできません。しかし、 BI(ビジネスインテリジェンスツール)との連携が可能です。ダッシュボードなどでわかりやすい可視化を実現します。
BIツールを使用する際、データのインプット前にDWHなどで必要なデータを集め、ETLでデータの加工や抽出を行う必要があります。CDPには、DWHもETLも備わっています。また、CDPとBIツールを連携することで、変更があった際にデータの加工や抽出がCDP上で行えるため手間が省け、効率的なユーザー分析が可能です。

分析後の施策にもつながる

CDPは、ユーザーとコミュニケーションを取るためのアクションツールとの連携も可能です。分析結果を基に、セグメントされたデータを使用して、アクションツールにてコミュニケーションを行うことで、ユーザーと適切なコミュニケーションを図ることができます。アクションツールの結果もBIツールで可視化できるため、施策の効果測定にも適しています。

まとめ

ユーザーの分析は、売上向上やLTV向上のためには、必要不可欠です。
しかし、分断されているデータをそれぞれ見ていくと、実態とは異なる分析の結果となってしまう可能性があります。
分析をして何を見たいのか、何を実現したいのかの目的を明確にしたうえで必要なデータを集め、ツールやシステムを選定し、データを統合・整理したうえで分析を行いましょうしましょう。
EVERRISEでは、データの収集・統合を行いデータの可視化のために必要なデータの加工を行えるCDP「INTEGRAL-CORE」の提供のみでなく、その前段階のデータ活用基盤構築のためのコンサルティング、自社の基幹システムを含めた各種システムと連携を行うための開発も行っています。

データの統合や活用についてご検討されている方はぜひお気軽にご相談ください!

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