攻めのDXの進め方

2018年に経済産業省が、DX(デジタルトランスフォーメーション)の概念を提唱しました。これをきっかけに、日本でもDXに取り込みを開始する企業が、増えています。

電通デジタルの『日本企業のデジタルトランスフォーメーション調査』によると、2020年現在では、74%もの企業がDXを進めていると報告されています。
参考:株式会社電通デジタル
DXは目まぐるしく変化していく昨今の世の中で、企業が避けては通れない概念と言えるでしょう。

本記事では、DXを進めたいが『何から始めればよいか見えない』『何に気を付ければ良いか分からない』という方々へのヒントとなるよう、DXの進め方についてご紹介いたします。 

DXとは

DX(デジタルトランスフォーメーション)とは、「企業がデータやデジタル技術を活用し、組織やビジネスモデルを変革し続け、価値提供の方法を抜本的に変えること」という概念を指す言葉です。
あくまで、自社の売り上げの向上や競争力の強化させ、日本全体の経済を活発化させることが本質であるため、決してデータを活用する自体やデジタル技術を取り入れること手段であり、目的ではありません。

本質を前提とし、『利益の向上』や『競争力の強化』と行った目的を達成するために、DXにはどんなテーマがあるのか。NTTデータ経営研究所では3つの「守りのDX」のテーマと3つの「攻めのDX」のテーマを、提示しています。
これらのテーマごとにプロセスを分類し、社内の現状と目的とを照らし合わせて考えることで、自ずと手段が見えてきます。

図1:3つの「攻めのDX」と3つの「守りのDX」

「守りのDX」と「攻めのDX」の違いについてのは、下記の記事にて詳細をご紹介していますので、ぜひご覧ください。
参考記事:「攻めのDX」とは ~「守りのDX」と「攻めのDX」の違い~

本記事では、主に「顧客を中心としたステークホルダーや自社だけではなくエコシステムをも巻き込むテーマ」である「攻めのDX」の進め方をお話をしていきます。

攻めのDXの進め方

明確な目的を定める

前段でもお話ししましたが、攻めDXを進める大きな目的は「利益の向上」や「競争力の強化」です。この大枠から外れずに、会社としてなにを目指すのかを明確に定める必要があります。
DXの推進は、会社全体の大きな目的があって初めて動き出すことができます。DX推進部やマーケティング部だけで進めることは難しいです。経営者が、DXを進める先でどんな企業を目指しているのか、世の中にどんな影響を与えたいのか、それらを明確にすることから始めましょう。

戦略を立てる

目的を明確にした後は、戦略を立てます。

まず、ステップごとに細かく目標を設定します。ここでも、データ活用やツールの導入などの手段が目標にならないよう注意しましょう。
目標の設定は、「売上の観点」と「業務効率化の観点」の2軸で設定すると良いでしょう。DX推進は、長期に渡るプロジェクトです。売り上げばかりに目を向けて目標を設定してしまうと、社内のリソースがかかる手段を選んでしまい、結果的に利益を落とすなど目的が達成されないケースは少なくありません。
目標が設定できたならば、それに沿って数ある手段の中から最適解を選択し、実行していきます。

戦略を立てる際は、内部だけではなく外部のリソースに頼ることをおすすめします。成功経験やソリューションを理解している外部のコンサルを入れ、第三者の目でプロジェクトを見てもらいながら、効率よく進めていきましょう。

社内の調整

攻めのDXを進めた先にある目的は、会社全体にかかるものです。一人の人材に寄せるのではなく、様々な領域のスキルを持った人材を集め、プロジェクトチームを結成しましょう。
プロジェクトメンバーの構成としては、例えば下記のような体制があります。
①目的を見据え、計画を立てデータ活用の構想を描く人
(=プロジェクトマネージャー)
②データの収集や蓄積・設計を行う人
③広告やCRMの施策や活用先のオペレーションを実行する人
④データを分析し、戦略に当てはめる人

規模の大きいプロジェクトであれば、それぞれをチーム体制で持つ場合もあるかもしれません。
立てた戦略に対してどのようなスキルセットの人材が必要なのか。採用して内部で行うか、外部に頼るかなどを事前に整理しておくと、攻めのDXをスムーズに開始することができます。
また、社内での成功例がなく、理想の体制を作るのは難しいという場合は、外部のコンサルに相談することも一つの手段として持っておくと良いかもしれません。

システムの選定

攻めのDXを進める上で、必要なデータを活用できる状態になっていないケースが非常に多く、手段としてシステムやツールの導入は必要不可欠です。
戦略に基づき、どのようなシステムを導入する必要があるのか、選定しましょう。
・コスト面
・既存ツールとの連携のしやすさ
・どこまでをシステムで、どこまでを人的に解決するか
・誰が何を利用するか(多くの人が容易に扱えるUIの必要性の有無)
上記を考慮して選定に臨むと、必要なシステムを導入することができるでしょう。

システムの導入・開発

実際に導入を行う際はまず、既存のデータと新しいシステムを連携させるためにデータを整理しておく必要があります。
また、攻めのDXにおける開発を進める上では、「ウォーターフォール型」ではなく「アジャイル型」が一般的です。
攻めのDXを進める上で必要な開発は、長年稼働してきたシステムやのリプレースとは異なり、新しい仕組みの導入です。開発の途中で仕様の変更や追加などが発生するケースは多くあります。そのために柔軟に変更が可能な「アジャイル型」の開発が適しています。

実行・運用

システムの導入で終わらせないことが重要です。
攻めのDXは、ツールやシステムを入れたらすぐに完成する物ではありません。長期間でPDCAを回し、試行錯誤していく必要があります。
日進月歩の変化に柔軟に対応できるよう、開発に関わったベンダーと連携して運用していくことをおすすめします。状況に応じて、新しいデータの投入や新しいツールの導入が必要になった際、ベンダーとの連携が手助けになるでしょう。

また、データの扱いに慣れ、運用してくれる人材が社内にいない場合、初期の段階で想定どおりのスタートが切れたとしても、実行・運用のフェーズで継続して改善が滞る可能性があります。
社内でのリソースの確保が難しい場合は、外部のリソースに頼りながら進めていきましょう。但し、先ほども申し上げましたが、DX推進は長期に渡ります。長期間、外部のリソースを頼り続けるのではなく、早い段階から内部の人員の教育を行うことで、より柔軟に改善を進められる体制を構築できるようにしましょう。

攻めのDXを進める鍵

2でご紹介したDXの進め方において、鍵となる事柄はなにかをご紹介します。

各事業部との連携

「攻めのDX」を進める上では、目的や各フェーズでのスコープによりますが、最終的には経営者・営業部やマーケティング部、カスタマーサクセス部などの部署単位はもちろん、ECサイトや実店舗、自社サイトなど、事業部や媒体の隔たりなく、ビジネスに関わる全体からデータを収集し、統合する必要があります。

それぞれの事業部や媒体が持つシステムが分断されていると、データが適切に統合されず、結果的にDX推進が滞ってしまいます。
これらの現象は、「データのサイロ化」と呼ばれ、攻めのDXを進めようとする企業が越えなければいけない大きな壁となっています。
データのサイロ化ついてのは、下記の記事にて詳細をご紹介しています。ぜひ合わせてご覧ください。
参考記事:攻めのDX推進を阻害する”データのサイロ化”の問題と解決方法

各部署や子会社など会社全体でデータを連携していくことが、攻めのDX推進の鍵のひとつです。

ベンダーの選定

DXを進める上で、システムやツールの選定も重要ですが、同時にベンダーの選定にも注意しましょう。適切なベンダーの選定は、DX推進の鍵になります。
システムやツールは、導入して終わりではありません。使いこなすことが必須条件です。そのためには、システムベンダーの手助けが必要です。
ベンダーもプロジェクトの一員と考え、モノを売って終わりではなく、目的達成のためにソリューションを提供してくれるベンダーを選定しましょう。
また、システムベンダーに丸投げするのではなく、あくまで社内のプロジェクトチームを中心として、推進していきましょう。

社内の人材育成

進め方の「実行・運用」でも触れましたが、DXを進める上で外部のリソースに頼るには限界があります。
外部のリソースを頼りながらも社内メンバーを育成し、データを活用するスキルを向上させることで、自社の事業に最も適切なシステム判断ができ、企業のシステムの一貫性が保たれた環境が整い、結果としてDXを効率よく進めることができます。

また、自社全体のITリテラシーの向上も必要です。
ITリテラシーが低いために新しいシステムが使いこなせない、新しいものを受け入れられない、DXの重要性が理解されないなどの理由からDXが滞るというのはよくある話です。
「社員のITリテラシーの欠如によるトラブル」を避けるためにも、社内全体のITリテラシーの向上させましょう。

長期間のPDCA

DXは、システムやツールを導入したらすぐに変革が起こるわけではないということを、十分に理解した上で進めましょう。
何年もかけ何度もPDCAを回すことで、より洗練された施策で顧客とコミュニケーションを図ることができ、目的を達成に繋がります。

CDPを活用したDX推進

「攻めのDX」を進める上で、システムのソリューションの1つにCDP(カスタマーデータプラットフォーム)という選択があります。
CDPは、各種システムに存在するデータを集め、統合や分析処理をかけた上で、各種システムやツールに対してデータを連携する役割を持ちます。
DX推進におけるCDPの活用方法については、下記の記事にて詳細をご紹介しています。合わせてご覧ください。
参考記事:攻めのDX推進における顧客データ統合やCDP導入の課題と注意点

まとめ

これからの時代に企業が競争力を獲得して生き残るためには、DX(デジタルトランスフォーメーション)の実現が必要不可欠です。
しかし現状では、重要性は理解しながらも、実際には上手く進められていない企業が多く存在します。今後それらの企業がDX推進を加速させていけば、競争力を強化でき、さらには自社のビジネスモデル変革や働き方改革にもつながります。

本記事で紹介したようなDXの進め方や注意すべきポイント、推進の鍵を理解することで、これから自社で検討すべき内容や方向性が見えてくることでしょう。

弊社、EVERRISEでは、DXを進めるためのソリューションの1つであるCDP『INTEGRAL-CORE』の提供を行っています。
また、INTEGRAL-COREの提供だけではなく、システムの開発のお手伝いも行っております。
目的や戦略を立てたいという方には、コンサルティングでのご支援も可能です。「ITエンジニアの人材不足でDXが停滞している」という声には人材サービスも行っています。

DX推進のための一歩として、ぜひEVERRISEへご相談ください。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket