マーケティングにおける顧客理解の重要性 ~ユーザー分析を阻む課題とは~

市場の変化に伴い、顧客理解の重要性が増しています。しかし、顧客理解を進めるうえでデータを使ったアプローチは重要ですが、断片的なデータのみでしかデータを活用できていないケースも少なくありません。

この記事では、顧客理解の重要性と顧客理解におけるCDP(カスタマーデータプラットフォーム)を用いたアプローチについてご紹介します。

マーケティングにおける課題

昨今、市場環境は大きく変化しています。特に日本においては人口減少による市場の縮小、一方で企業が発信する情報も含めて世の中に存在する情報が爆発的に増加しています。マスに対するアプローチによって認知を促進することも重要ですが、情報が溢れ消費者が情報を選択して取得できるようになっていることから、選択の幅が広がり一人ひとりのライフスタイルや好みも多様化しています。

そのような状況から従来のマーケティング手法のみでは事業をスケールさせられないのみでなく、競合他社に対して劣勢になってしまう可能性さえあります。現在の市場環境において適切なアプローチを考える必要があり、それらを行うための土台を作る必要性が増しています。

顧客理解の重要性

1to1マーケティングという言葉やCX(カスタマー・エクスペリエンス)、CE(カスタマー・エンゲージメント)といった言葉もバズワードとして存在しますが、その前提として顧客目線でどのようなサービスが求められているのかを考え、自社のアセットとシナジーのある新たなサービスの提供や既存サービスの拡張を視野に戦略を立て、推進することの重要性が増しています。そこで重要となるのが顧客理解です。

顧客理解にはさまざまなアプローチが存在しますが、一つの手法としてデータをもとに顧客を把握することが挙げられます。

データと言ってもさまざまなものが存在しますが、顧客の属性データやアンケートなどによるリサーチのデータ、行動データがあります。

顧客の属性データやリサーチのデータの分析を利用して顧客を理解するアプローチは古くから利用されている手法ですが、顧客を特定せずに分析しているケースが多いかと思います。また、顧客の行動結果としての売上に関するデータをもとに顧客を理解する手法についても同様に顧客を特定していないケースがあります。

顧客理解を進めるためには、そこからもう一歩踏み込んで、顧客を特定したうえで分析を行うことが必要です。

小売のビジネスを例にすると、実店舗の会員カード紐付きの属性情報やECサイトの会員紐付きの属性情報があるかと思います。また、行動データには、実店舗ではID-POSにある購買データ、ECサイト上の購買データなどがあります。さらに、既存顧客のみでなく新規顧客も含めたwebサイトやECサイト上の行動データ、モバイルアプリの行動データ、メール配信やアプリのプッシュ通知配信などの配信キャンペーンに対する反応結果に関するデータなども存在します。

これらのデータを断片的なデータとしてではなく、統合したデータとして分析を行うことが顧客理解を深化するために重要です。

なぜ、顧客理解が進まないのか

統合データをもとにした分析による顧客理解を進めようとしても、ハードルが存在するのも事実です。

各接点での分析やチャネルに合わせたコミュニケーションを行うために、各種分析ツールやメール配信、アプリのプッシュ通知の配信ツールなどさまざまなマーケティングツールを導入している企業は多いかと思います。

しかし、ツールごとに顧客の属性データや行動データ、キャンペーンの配信結果のデータなどがすべてバラバラに存在する状態になっているケースは少なくありません。さまざまなシステムに点在するデータを統合すること自体が大きなハードルとなっており、このような状態を「データのサイロ化」と呼びます。

データのサイロ化についてはこちら

顧客理解を阻害する「データのサイロ化」に対しての解決策として、データの統合を目的とした統合データベースの開発やサービスの導入があります。すでに構築されているシステム自体をそのまま活かしながら、データの統合が行えます。

顧客ベースでのデータの統合を行う場合の選択肢の1つに、CDPがあります。CDPは、マーケティング観点でのデータ統合・活用のために必要な機能を備えています。

顧客理解を深化するソリューション、CDP

CDPは「実在する個人」に紐づけて顧客データを集めるプラットフォームです。統合データをもとにした分析による顧客理解の促進や、それをもとにした各種施策の実施に向けた顧客データを「収集」「統合」「連携」する機能を備えています。

「データのサイロ化」に対して、システムとして統合されている状態ではなく人手をかけることで対応することは不可能ではありません。ただし、統合して利用したいデータを保有しているシステムが多数存在したり、マーケティングツールが多ければ多いほど、当然ながら工数が膨大になっていきます。例えば、マーケティングの担当者がCRMの顧客情報をエクセルで出力して、MA用に加工してアップロードするといった施策実施までの作業や、振り返りに必要なレポートを抽出する作業にも時間がかかり、プランニングや施策の立案などではなく「作業」を行う時間が増えてしまいます。

CDPで顧客データを一元管理することで、人手をかけて対応している状況の解消、本質的な業務にかける時間を増やすことにもつながります。

顧客1人ひとりを深く分析

CDPを利用することで、顧客一人ひとりを深く分析し、より深く理解することができるようになります。「データのサイロ化」が起き複数のシステムに点在しているデータをCDPに入れて統合することで、一人の顧客の情報として扱えるようになります。また、それらのデータ統合の処理を自動化することで効率よく顧客を分析できるようになり、会社全体を通して共通のデータをもとにした理解を形成できます。

実際にダッシュボードやレポートを作成する際には、BIツール等を利用して行います。BIツールはあくまで可視化を目的としたツールであるため、分析のために必要なデータを作成しておく必要があります。CDPでは、BIで効率よく可視化を行うためのデータの構築が可能です。

顧客を個人単位で認識し、最適なマーケティング施策を実施

顧客一人ひとりを分析する際と同様に、まず統合した顧客のデータを作ることで顧客の状態をより細かく把握したうえで、コミュニケーションが行えるようになります。

顧客のデータを統合することで、例えば店舗とECサイトを運営する事業を展開している企業であれば、店舗での購入とECサイトの購入を踏まえた形でのDMやメール等によるコミュニケーションが可能です。

ECサイトでお気に入り機能を利用してチェックされている情報をもとに値下げのタイミングで通知するといった施策を例にすると、実際には店舗で該当の商品を購入したばかりだった場合、ECサイトのみで見たときには顧客のためになる良いコミュニケーションであったはずが、購入直後のユーザーに対して値下げ通知を行うというあまりよくない体験を提供することになってしまいます。これは、店舗とECサイトでのユーザーごとの購買情報のデータを持っていれば、いずれかで購入をしている人を除外することで解決できます。

また、メールとモバイルアプリもプッシュ通知といった複数のプッシュ型のコミュニケーションチャネルを提供している場合に、同じ内容を何度もプッシュしてしまっているケースも多く存在します。顧客ごとに受け取りたい情報が異なり、チャネルも異なるため、それらの配信を行うマーケティングツールのデータを統合して、適切な配信除外の設定が行えるようにすることで、より良い顧客体験の提供が可能になります。

まとめ

CDPを導入をする場合、顧客理解という大きなテーマを持ちつつも、より具体的にデータを利用してどのような分析を行いたいのか、どのような施策を行いたいのかなど具体化したうえでプロジェクトを推進することが大切です。

CDP導入時の注意点と必要な準備に関してはこちらの記事も参考にしてください

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