データ分析をより正しく高速に行うためのBIツール活用

データを活用したマーケティングや経営の意思決定に欠かせないものになりつつあるBIツールは、CDPを用いたデータ統合後のデータ活用においても重要な存在です。
今回はBIツールの基本と導入までに考慮すべきことをまとめました。

BIツールとは?

BIツールの「BI」とは、「ビジネス・インテリジェンス(Business Intelligence)」を意味します。ビジネス・インテリジェンスとは、企業が日々蓄積されていく膨大なデータを分析し、その分析結果を経営意思決定に活用することをいいます。 このBIを助けるシステムを総称したものを「BIツール」と呼びます。

出典:https://bi.lakeel.com/course/detail01/

BIツールには、無料で利用できるものから、高機能な有料サービスまで幅広い種類があります。
また、プログラミング不要で直感的に操作できる画面、データを見やすくするためのダッシュボード機能を備えているものがほとんどです。

なぜBIツールが必要か?

分析や意思決定を行うのに、ツールは必須なのでしょうか?
もちろん必要なデータがあればBIツールを導入をせずとも意思決定をすることは可能です。

しかしこれらを「正しく」「スピーディに」行うためには、BIに必要な機能を備えたツールを使うべきと言えます。

また、BIツールによって見やすく可視化されたデータであれば、より多くの関係者への現状共有とデータ理解を拡げていくことができます。

データの可視化の例

BIツールとは?にもあるように、BIツールにはデータをビジュアライズし、ダッシュボードを作れるものが多いです。
データベース内に大量にあるデータの数値の羅列を見ただけでは、どれが重要な値なのを判断するのは難しいでしょう。素早い意思決定のためにはデータを見やすく可視化することが不可欠です。

Googleデータポータルのダッシュボードサンプル

出典:https://datastudio.google.com/u/0/reporting/0B_U5RNpwhcE6TmpwV2hBOGdKYWM/page/qlD/preview

上の画像はGoogleデータポータルが提供しているサンプルダッシュボードでの一つです。
重要なデータがグラフで推移や比較しやすくなっています。また、前期間との比較値も色分けされ、パッと見でデータの良し悪しが判断できるようになっています。

使用するBIツールの機能にもよりますが、気になるデータはさらにドリルダウンしてBIツール上で細かなデータの内訳を確認することもできます。

可視化するデータの例としては、経営・財務データ、各種売上データ、市場データ、営業活動データ、広告配信データ、アクセス解析データ、人事データなどが挙げられます。

ビジュアライズだけでなく、分析を行いデータ変化の原因や注視すべきデータをアラートする機能を持つBIツールもあります。

Yellowfinは、顧客分析手法の一つである、顧客をランク付けし重要な顧客グループを導き出すRFM分析はYellowfinでは次のように表示できます。

▼YellowfinのRFM分析の例
YellowfinのRFM分析の例

また、BIツールごとに特徴的な機能もあり、Yellowfinではデータの気づきを得やすいように、データの差異や変化量をわかりやすく表示するインサイト機能があります。

▼Yellowfinのインサイト機能
Yellowfinのインサイト機能

データがBIツール上で常に最新の状態に反映されていれば、重要なデータの分析と意思決定を迅速に行うことができるでしょう。

BIツールを導入するだけですべてうまくいく?

では、BIツールさえあれば意思決定までが円滑に進むのでしょうか。
実際はほとんどの場合がそうではありません。

また、グラフなどで単に見やすいダッシュボードを作れば良いということでもありません。
そのダッシュボードで、何を判断するための分析が必要なのか、必要なデータをどのように取得し集計するかが重要です。

まず、データの可視化までには主に次のような作業が発生します。

1. データの蓄積
2. データの前処理
3. BIツールへのデータ送信

この工程を本記事では「データ連携」と定義します。
BIツールだけではデータ連携がうまくいかず、運用がままならないケースが多いです。
データ連携の詳細と課題について紹介します。

1. データの蓄積

BIツールはデータを可視化するためのものであり、基本的にはデータを貯める箱は別に存在します。ツールやデータベース、データの入ったファイルとその形は様々ですが、まずは見るべきデータが蓄積されている必要があります。

そもそもどんなデータを貯めるべきなのかといった点については本記事では触れませんが、このBIツールで見るべきデータが散らばっていて、必要なデータに自由にアクセスできない状態は、データ連携がうまくいかない原因のひとつにもなります。

2. データの前処理

BIツールにはデータを取り込み整理する機能を備えているものもありますが、それだけでは不十分で、データの前処理が必要な場合が多いでしょう。

データの前処理には各データ型の指定やデータ粒度の整理、データのクレンジング、BIツールでデータを正しく表示するために足りないデータの補充などがあります。
具体的には、姓名のスペース有無などの表記ゆれ調整、特殊なセッション記録や参考にすべきでない値を除外する外れ値補正などです。

このような作業はエクセルなどで行うことも可能ですが、最初の一回で済むわけではなく、BIツールへデータを送る度に発生します。継続的に発生する同じ作業を人力で行うことは、業務効率化の観点で得策とは言えません。

3. BIツールへのデータ送信

前処理が済んだデータを送信(取り込み)することで初めてBIツールでデータを見れるようになります。

データ連携のための作業はすべて手作業で行うこともでき、データの種類や前処理が
少なければそれで済む場合もあります。

しかし、データ連携は可能な限り自動化するべきです。データ分析の準備のための時間がかかりすぎるとPDCAを高速に回せず、BIツールを使うメリットも半減していまいます。また、人的ミスによってそもそも正しいデータを見ていなかった、などの問題も発生します。

そのため、BIツールをより有効利用するためにはデータ連携を自動化する仕組みやツールが必要になってきます。

データ連携の自動化

データを蓄積しているもの(以下、データソースと表現します)が自社システムやデータベースの場合、それらとBIツールを繋ぎデータ送信を自動で行うための仕組みの開発・構築が必要です。

利用するBIツールに対象のデータソースがコネクタとして公式に連携されていれば、BIツール側の管理画面からの操作でデータを取り込み、そのまま利用することもできます。

しかし、すべてのデータソースがBIツールと連携していることは少ないでしょう。その場合はETLツール、CDPのようなツールでデータ連携をより効率的に行うことができます。
これらのツールを使う場合もデータソースへのアクセスの仕組みを構築しておく必要がありますが、増え続けるデータソースへも幅広く対応できるのが強みです。

ETL(Extract/Transform/Load)はその名の通り、必要なデータを抽出・変換し、指定の場所へ格納できるツールのことです。BIツールのような複数の環境から集めたデータを扱うツール・システムとのハブになります。

また、CDPもBIツールとの連携に適しています。

CDPとは?

CDPはカスタマーデータプラットフォームの略で、顧客データを管理するプラットフォームです。

BIツールで見るデータには、アクセスデータや売上、LTVなど顧客に関係するものが多くありますが、CDPはそれらを格納し管理するためのシステムです。
顧客に関する様々なデータを一箇所にまとめるために、他システムからのアクセスが可能なETL機能を備えており、かつ大量のデータを蓄積できるのがCDPです。

BIツールとのコネクタがないツールであっても、CDPにデータを取り込む機構を開発すればスムーズにデータを受け渡すことが可能です。
さらに他のメール配信システムなど、貯めたデータの送信先になる様々なツールに対しても連携ができるため、独自のシステムや業界特化の特殊なシステムとの連携という点でも、CDPにデータをまとめておくことでデータを柔軟に活用できます。

弊社でもCDP「INTEGRAL-CORE」を提供しております。
CDPについてさらに詳しく知るためには下記の記事もご覧ください。

▼CDP(カスタマーデータプラットフォーム)とは何か?
https://cdp-integral.com/blog/whatiscdp

ダッシュボード構築に必要な知識

データ連携ができればあとはダッシュボードを作成・運用していくのみです。

しかし多くのBIツールでは初期のダッシュボード構築にSQLの知識が必要です。
また、BIツール側でドラッグ&ドロップで簡単にデータとダッシュボードの編集ができる機能を備えていても、より複雑な分析には最終的にSQLが必要になってきます。

まずは簡単な運用から始めていくべきですが、SQLを扱える人材が必要なことは把握しておいたほうが良いでしょう。

代表的なBIツール

Yellowfin

Yellowfin

Yellowfinは、データの変化はだけでなくなぜそれが起きたのかというその原因までを追求できるBIツールです。Data Transformation(データ変換)やAssisted Insights(自動インサイト)、コラボレーションツールなどを網羅しているほか、機械学習アルゴリズムを採用したAssisted Insights(自動インサイト)機能を備えています。

Tableau

Tableau

非エンジニア・非アナリストでもデータ加工やダッシュボード作成ができ、対応しているデータソースの種類も豊富なBIツールです。Tableau DesktopやTableau Prepなど用途に合わせたラインアップが揃っており、個人向けのプランもあります。

DOMO

DOMO

各データソースと繋がるためのコネクタが1,000種類以上あり、また、API連携・OAuth認証でデータ連携が可能なため開発なしで初期設定ができるBIツールです。リアルタイムでのデータレポート生成ができる、アラート機能などもあります。

Googleデータポータル

Googleデータポータル

無料で利用できるBIツールの中でも非常に高機能で使いやすいツールです。
データソースのコネクタも増え続けています。まずはデータポータルで可視化を試してみるのも良いでしょう。

Redash

Googleデータポータル

OSSで提供されている、BIというよりはダッシュボードツールです。
SQLやデータソース側の知識が必要になるためエンジニアリソースが必要ですが、対応しているデータソースも多く、スケジュールやアラート機能もあり、簡単にデータを可視化することができます。

まとめ

BIツールについて紹介してきましたが、意思決定のための手段として非常に便利な反面、可視化までのデータ設計や導入準備に力を入れる必要があることも理解いただけたかと思います。

最も重要なのは「BIツールを導入すること」ではなく、「何の目的でどのようなデータをBIツールで見ていくべきなのかを定める」ことです。

EVERRISEでは、本記事で紹介したBIツールにすべて対応しているCDP「INTEGRAL-CORE」を提供している他、マーケティング課題整理からのコンサルティングや、ツール導入時の開発人材までサポートをしております。

ぜひお気軽にご相談ください!

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